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現在の場所: ホーム 担当教員 教務ユーザ Syllabus2008 偏見と相互理解

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科目名 偏見と相互理解 
担当教員 元 百合子
授業の目的、または到達目標 学校、会社や地域といった小さなコミュニティーから国家、あるいは世界という大きなコミュニティーにいたるまで、多様な個人・集団の「共生」は重要な課題である。共生社会の構築を妨げる大きな要因である偏見と差別について、その形成要因やメカニズムをさぐり、排除と解消の方策を考えることにより、各自が共生社会の実現に貢献できる市民となることを目指す。
授業の概要 グローバリゼーションの進展にともなうヒト、モノ、カネ、情報の移動の活発化により、世界の多くの国で社会構成員の多民族化、多文化化が進行している。他方、9.11事件以降、異文化・他宗教に対する不寛容が、世界的規模で広がりを見せている。偏見は、個人レベルの人間関係を損なうだけではない。特定のグループに対する集団的偏見は、差別と社会的不公正を生みだす。甚だしい偏見は、紛争や民族浄化といった凄まじい残虐行為の要因にもなってきた。授業では、個人の日常生活および社会全体で、知覚と認識をゆがめる要因、差別が生まれる背景、その結果引き起こされる社会問題などを、様ざまな事例をもとに検討する。その上で、果たしてすでにある偏見と差別を克服することが可能かどうか、どうすれば可能か、どうすれば新たな偏見の発生を防止し、互いの差異を受容して共生することができるかを考える。その際、「相互理解」という概念とそれを目指す行為が果たしうる役割と限界も合わせて考察する。

授業の形態 基本的に講義形式。ただし、双方向・参加型の授業を心がける。
随時、ビデオ等の視聴覚教材を利用する。
時間割   概要 宿題(予習・復習等)
1
  • イントロダクション  
2
  • 偏見と差別のメカニズム (pp.5~22)   
3
  • 偏見と差別のメカニズム (pp.23~42)  
4
  • 女性に対する偏見と差別 ― ジェンダーはどう形成されたか  
5
  • 人種と人種主義、Xenophobia - 外国人排斥に含まれる偏見  
6
  • アメリカの人種差別  
7
  • 貧困を生きる人々、途上国の人々に対する偏見と差別 ― 自助努力が不足?  
8
  • 移住労働者とその家族、人身売買被害者への無関心・冷淡  
9
  • 被差別部落問題・アイヌ民族に対する差別  
10
  • 外国籍住民、とくに在日コリアンに対する差別  
11
  • 障害者・高齢者・性的マイノリティの人々に対する偏見と差別  
12
  • 偏見・差別の克服と共生、差別の複合 ― マイノリティのなかのマイノリティ  
13
  • イスラム教ってなんとなく怖い? ― 多文化共生とは?その構築に必要なものは何か? ― 国家、国際社会、市民社会、個人の責任と義務  
準備学習 指定または配布された文献・資料を読む。興味のあるテーマに関するリサーチをする。
教科書 中川 喜代子『偏見と差別のメカニズム』(明石書店、1998年)
移住労働者と連帯する全国ネットワーク『外国籍住民との共生にむけて』(現代人文社、2006年)
その他、レジュメや資料を適宜配布する。
参考文献 村田恭雄『日本の差別・世界の差別』 (明石書店、2000年)、ジョン・G. ラッセル『偏見と差別はどのようにつくられるか―黒人差別・反ユダヤ意識を中心に』(明石書店、1995年)、バーニス・ロット『ウーマン・ライフ―ジェンダーはいかにして形成されるか』(日本評論社、1998年)、徐龍達他編著『多文化共生社会への展望』(日本評論社、2000年)、岡本雅享『日本の民族差別』(明石書店、2005年)
成績評価方法・基準 評価方法:
期末レポート70%、授業への参加・貢献度に基づく平常点30%。
評価基準:
1.テーマについての理解度、
2.自分でどのくらい調べ、また考えたか、
3.レポートの構成、論理的に表現する力、
4.最低限の条件(字数、締め切り、参考文献の明記、引用・参照の仕方、資料の丸写しでないこと)

時間割

担当教員 開講学期 開講曜日 開講時限 履修クラス 単位数
元 百合子 春学期 木曜日 7時限 A 2
元 百合子 春学期 木曜日 8時限 A 2
元 百合子 秋学期 木曜日 5時限 B 2
元 百合子 秋学期 木曜日 6時限 B 2